merrymerrysheep’s diary

中小企業の社長の独り言。

信頼と裏切り

会長は、気に入った従業員に対して

盲目になる傾向がある。

過去何人も、それで失敗している。

 

タイムカード水増し、

社用車用の提携ガソリンスタンドの

ツケ払いカードを家族にも勝手に使わせる。

社内不倫。不要な残業……。

 

全権を与える! なんて、

心にもないことを軽く言って、

すぐに、「好きにやれって

言ったじゃないですか?」となることも。

 

信頼にあぐらをかいて、態度が横柄になり、

他の従業員との間に軋轢を生む。

本当に真面目にやってる人から

諦めて会社を去っていく。

 

「代が変わったのだから、口を出さないで。

あなたが信頼してる人、

影であなたのことを笑ってる。

私のことは言いくるめられず、

あなたをうまく操っている」

 

伝えると私が悪者になる。

 

会長みたいに、裏切られても、痛い目見ても

人を信用できる人が羨ましい。

私は、会社のトップに立ってから、

もうすっかり人間不信なのに。

 

真面目な人がいつまでも真面目だなんて、

悲しいことにあるわけがなくて。

朱に交われば赤くなるし、

管理する人の目が届かない時には

仕事もゆるくなる。

環境が違えば、人は変わる。

 

見えている姿だけが、その人の本質ではない。

信じたいものだけを信じていては

経営はうまくいかない。

 

先日、会長の見たくない現実を突きつけた。

これで目を覚ましてくれる、と思った。

 

逆効果だった。

「お前はいつも、悪い方にとる。

お前は頭がいいからそう思うかもしれないが、

あいつはバカだから、それができないだけで

悪気はないのだ」

 

うちは、船頭の多い会社。

船は空に上りそう。

いや、パイロットが2人いるから

飛行機が海に突っ込むかもしれない。

 

なんのために私は、会社の借金を

背負っているのだろうか。

 

でも、私は知っている。

会長の「全権を与える!」は、

責任逃れなだけだってこと。

 

自分が抱えきれないから、

甘い飴と一緒に責任をさりげなく渡して、

知らんぷりしたいだけ。

 

反面教師にしなければ、と思うけれど、

会長の存在が、一層私の心を閉ざしてしまうのだ。

社長は孤独だ。